【AtCoder版!蟻本】AOJ0558 Cheese【幅優先探索】
AtCoder版!蟻本の幅優先探索で類題としてあげられているAOJ0558 CheeseをPythonで解いていきます。
AOJ0558 Cheese
問題文
今年も JOI 町のチーズ工場がチーズの生産を始め,ねずみが巣から顔を出した.JOI 町は東西南北に区画整理されていて,各区画は巣,チーズ工場,障害物,空き地のいずれかである.ねずみは巣から出発して全てのチーズ工場を訪れチーズを 1 個ずつ食べる.
この町には,N 個のチーズ工場があり,どの工場も1種類のチーズだけを生産している.チーズの硬さは工場によって異なっており,硬さ 1 から N までのチーズを生産するチーズ工場がちょうど 1 つずつある.
ねずみの最初の体力は 1 であり,チーズを 1 個食べるごとに体力が 1 増える.ただし,ねずみは自分の体力よりも硬いチーズを食べることはできない.
ねずみは,東西南北に隣り合う区画に 1 分で移動することができるが,障害物の区画には入ることができない.チーズ工場をチーズを食べずに通り過ぎることもできる.すべてのチーズを食べ終えるまでにかかる最短時間を求めるプログラムを書け.ただし,ねずみがチーズを食べるのにかかる時間は無視できる.
入力
入力は H+1 行ある.1 行目には 3 つの整数 H,W,N (1 ≤ H ≤ 1000,1 ≤ W ≤ 1000,1 ≤ N ≤ 9) がこの順に空白で区切られて書かれている.2 行目から H+1 行目までの各行には,'S','1', '2', ..., '9','X','.' からなる W 文字の文字列が書かれており,各々が各区画の状態を表している.北から i 番目,西から j 番目の区画を (i,j) と記述することにすると (1 ≤ i ≤ H, 1 ≤ j ≤ W),第 i+1 行目の j 番目の文字は,区画 (i,j) が巣である場合は 'S' となり,障害物である場合は 'X' となり,空き地である場合は '.' となり,硬さ 1, 2, ..., 9 のチーズを生産する工場である場合はそれぞれ '1', '2', ..., '9' となる.入力には巣と硬さ 1, 2, ..., N のチーズを生産する工場がそれぞれ 1 つずつある.他のマスは障害物または空き地であることが保証されている.ねずみは全てのチーズを食べられることが保証されている.
解答例
from collections import deque import copy # 入力 h, w, n = map(int,input().split()) maze = [] # 迷路の文字配列 for _ in range(h): maze.append(input()) # 各座標への最短距離の配列(INFで初期化) INF = int(1e9) D = [[INF] * w for _ in range(h)] # 4方向の移動ベクトル dx = [1,0,-1,0] dy = [0,1,0,-1] # スタート位置の探索 for i in range(h): for j in range(w): if maze[i][j] == "S": sy = i sx = j # 硬さxのチーズ位置の探索 def search_cheese(x): for i in range(h): for j in range(w): if maze[i][j] == str(x): gy = i gx = j return gy, gx # 硬さxのチーズ座標を返す # スタートからゴールへの最短距離を求めるbfs def bfs(): que = deque() que.append([sy,sx]) # スタート地点をキューに入れる D_copy[sy][sx] = 0 # スタート地点の距離を0とする # キューが空になるまで探索 while len(que) != 0: p = que.popleft() # 先入れのキューの要素を取り出す if p[0] == gy and p[1] == gx: # ゴールなら探索終了 break for i in range(4): # pから4方向に移動 移動後の点は(nx,ny) ny = p[0] + dy[i] nx = p[1] + dx[i] # 移動可能か、この探索で訪れたことがあるかの判定 if 0 <= nx < w and 0 <= ny < h and maze[ny][nx] != "X" and D_copy[ny][nx] == INF: # 移動可能ならキューに入れて、その点の距離をpからの距離+1で確定する que.append([ny,nx]) D_copy[ny][nx] = D_copy[p[0]][p[1]] + 1 # ゴールまでの最短経路を返す return D_copy[gy][gx] # 硬さNまでの最短経路探索 res = 0 # 最短経路 for k in range(n): D_copy = copy.deepcopy(D) tmp = search_cheese(k+1) gy = tmp[0] gx = tmp[1] res += bfs() sy = gy sx = gx print(res)
解説
N個のチーズ工場があり、それぞれ1からNまでの硬さのチーズを生産しています。
スタート地点から硬さNのチーズを食べるまでの最短経路を答える問題です。
この問題も幅優先探索(BFS)で最短経路を求めていきます。
入力を受け取ったあと、BFSの準備として迷路と同じ大きさの配列D(INFで初期化)を用意します。
迷路のスタート地点はSで表されているので、全探索してxy座標をsx,syに代入しました。
硬さiのチーズの位置はプログラムで何度も探す必要があるのでsearch_cheese関数を作成しました。
iを引数として渡すことで硬さiのチーズの位置をgx,gyとして返します。
BFSはスタート地点を渡すことで、gx,gy地点までの最短経路を返す関数です。
最短経路のリストDは以前の探索のデータを引き継いだら間違った答えになりますので、deepcopyしたD_copyに最短経路を記録していきました。
最後に1からNまでのチーズの最短経路をfor文で求めます。
次の目的地であるk+1の硬さのチーズの位置をsearch_sheese関数で求め、BFSで現在地から求めた地点までの最短経路をresに足していきました。
BFSが終わるとゴール地点を次のスタート地点として、次回のループに備えます。
ループを抜ければ求める最短経路がresとなりますので出力すればOKでした。
AtCoder版!蟻本(初級編)の記事リンクページはこちら
ebisuke33.hatenablog.com